加工材料
プレス加工で用いられる被加工材として一般的によく知られている鉄、ステンレス、銅、アルミの他にも用途に応じて様々な種類の材料を使用しています。
2種類以上の金属を混ぜたり、金属以外の成分を少量混ぜたりすることで物理的・化学的・機械的な性質を高めたものを“合金”と呼びます。これらは強度や耐食性が高いのが特徴です。
その他にも2種類以上の金属を貼り合わせた“クラッド材”や、材料段階で表面処理(メッキや熱処理など)を施した材料なども使用します。
金属の板に力を加え、曲げたときに力を弱めると元の状態に戻ろうとする特性を「弾性」と言います。そして、大きな力を加えてから、力を弱めても元に戻らないところまで変形した性質を「塑性」と言います。
ある一定の力までは元に戻る弾性変形ですが、それを超えた力を加えることで塑性変形となります。
板加工では、弾性域で使用することでバネとして活用でき、塑性域まで加工を施すことで、様々な形状を生み出すことが可能です。
加工分類
はじめに、プレス加工とは“切る”“曲げる”“成形する”加工とご紹介しましたが、
- “切る”
- せん断加工
(切断、打抜き、穴あけ、切込み、分断、縁切り、シェービング、重ね抜き) - “曲げる”
- 曲げ加工
(型曲げ、カーリング、ねじり) - “成形する”
- 成型加工
(エンボス、バルジ、バーリング、縁曲げ、裾曲げ、口絞り、矯正型打ち)
といったように様々な種類の加工を行うことができます。
この他にも、
絞り加工(深絞り、張出し絞り、アイヨニング)
圧縮加工(コイニング、ヘッディング、マーキング、アップセッティング、押出し)
も可能です。
これらの加工を組み合わせることで切削や鋳造・焼結などでしか製作できないと思われている製品もプレス加工で製作可能となり、コストダウン・リードタイムの短縮につなげられる場合もあります。
プレス金型
金型はプレス加工の命です。その精度で製品の品質がほぼ決まると言われており、金型は多い場合では数百ものパーツで構成される、とても複雑なものです。
同じ形状の製品を作る場合でも、加工の順番や部品の構成は各社で違ってきます。
より高品質で安定した仕上がりになる金型を作ることが重要です。
当社では社内に金型専用工場(諏訪工場ページ参照)を構えており、豊富な経験と知識をもとに金型の設計・製作を行っております。
加工機
金型製作に必要となる加工機は、ワイヤ放電加工機、マシニングセンタ、型彫り放電加工機、平面研削盤、プロファイル研削盤など様々です。充実の設備で、高精度・短納期での金型製作が可能です。また、プレス加工に必要となる加工機200tサーボプレスをはじめ、130以上のプレス機が稼働しています。
プレス加工とは?
プレス加工とは、薄い金属板を“切る”“曲げる”“成形する”ことで、必要な形状を作り上げていく加工方法です。
プレス機に金型と言われる工具を取り付け、金属などの素材に大きな圧力をかけることで型の通りに加工していきます。
最大の特徴は、高精度で同じものを数多く生産できることです。
一般的に、他の金属加工方法よりも加工時間が短く、安価に製造ができます。なお、他の金属加工方法としては切削加工(けずる)、鋳造加工(金属を溶かして型に流し込む)、焼結加工(金属の粉末を型の中で焼いて固める)などがあります。